カバクチカノコガイは水苔や食べ残しをよく食べてくれる生き物。
他の貝に比べて苔をよく食べてくれるのでガラス面のお掃除や食べ残し対策にカバクチカノコガイを飼育している方も多いようです。
しかし、水槽に迎えてからなかなか動かない、1週間以上じっとしている・・・といった状態になることも。そのまま原因が分からずどう対処したらよいか、死んでしまったかどうかも判断できないこともあります。
ここでは、カバクチカノコガイを水槽に入れたあと動かない状態を解決するチェックポイント・対策方法についてご紹介します。
カバクチカノコガイの特徴
カバクチカノコガイはホームセンターやペットショップで取り扱いの多い生体で、観賞用・水槽のお掃除隊員として購入する方が多いです。
見た目は茶色い色で大き目な生体が多く、繁殖力も他の貝に比べると増えすぎるといったことがないところが特徴。
水中のレイアウトにもなじみやすく飼育しやすいといった点も人気があるポイントです。
また、繁殖については水槽内で産卵はしますが海水のある領域(汽水)でしか孵化できないので、水槽内で孵化することはほぼありません。
しかし、卵はガラス面にしっかりとくっつく性質があり放置してしまうとガラス面から取れにくくなってしまうので、プラスチックのスクレイパーなどで定期的に取り除くようにしましょう。
カバクチカノコガイが動かない原因
カバクチカノコガイが動かないときはこういった原因が考えられます。
- 水質が合っていない。
- ひっくり返ったまま一定期間放置していた。
- 水温が低い。
- 水槽内が汚れている。
水質が合っていない
カバクチカノコガイが生息する水質は弱酸性~弱アルカリ性が適しているといわれています。
基本的にメダカ水槽、金魚、どじょうなどの水槽で一緒に飼育する場合は問題ない場合が多いと思います。
ひっくり返ったまま一定期間放置していた
カバクチカノコガイは他の貝とは違い、背中の殻を動かして体勢を戻すことができないので、ひっくり返ったら起こしてあげないと死んでしまいます。
ひっくり返ったあとしばらく放置していた場合は、死んでしまうのでちょこちょこ水槽を見て様子を見てあげましょう。
水温が低い
購入するときにあまり説明されない場合もあり、見落としやすいポイントが水温です。
水温が低いとカバクチカノコガイは動くことができず、静止した状態でそのまま放置していると死んでしまいます。
水槽内が汚れている
水質が合っていないと同じように感じますが、水質が合っていても水槽内が汚れていると動かないことがあります。
食べ残しを食べてくれるとはいえ、砂利が生体のフンや食べ残しが溜まりすぎて汚れた状態になっているとカバクチカノコガイも動くことができないのだそう。
水温が問題なく水槽内をしばらくお掃除していない場合は、水を3分の2ほど入れ替えて砂利をきれいにしてあげましょう。
1週間以上静止している場合は食べることができず死んでしまうこともあるので早めに対策を行いましょう。
動かないときのポイント➀:水温をチェック!
先ほどの項目で3つ目に挙げた中でも水温はとても大事なポイントになります。
自身も水槽に入れてなかなか動かないのでいろいろ調べてみると、ヒーターを入れた水槽ではよく動くとの情報があり、試しにヒーター入りのメダカ水槽に入れてみました。
すると・・・1週間ほど静止状態だったカバクチカノコガイが顔を出し始め、元気に水槽内を動き回るようになりました。
ここでカバクチカノコガイの飼育では水温も関わっていることを実感しました。
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動かないときのポイント➁:水槽内の汚れをチェック!
水槽内の砂利をよく見てみるとフンや食べ残しなどの茶色い汚れが溜まっていませんか?
スポイトなどで表面を探るとフワッと茶色い汚れが浮いてきたり、表面や隅っこに汚れが溜まっている場合はお掃除が必要なサインです。
汚れが溜まった水槽内はカバクチカノコガイにとっても過ごしにくい環境で動かない原因の1つとなります。
しばらくお掃除していない場合は早めに対策を行いましょう。
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対策➀ヒーターを入れて水温を26度前後に保つ
水槽にヒーターをつけていない場合は、テトラ ミニヒーターのような簡単に使えるミニヒーターを入れて水温を一定の状態に保ってあげると良いでしょう。
■30㎝以内の小型水槽におすすめの小型ヒーター
テトラ 26℃ミニヒーター 50W
実際に30㎝以下の小型水槽でテトラ 26℃ミニヒーター 50Wを使っていますが、水温は26.5℃前後で安定しカバクチカノコガイも元気に動き回っています。
■45㎝以上の水槽におすすめの小型ヒーター
テトラ 26℃ミニヒーター 150W
45㎝の水槽でも60㎝水槽まで対応可能なテトラ 26℃ミニヒーター 150Wといったアイテムがおすすめです。
45㎝水槽の場合、45㎝以下の水槽に適応した100Wでも良いと思いますが、60㎝以下の水槽に適応した150Wの方がパワーが十分にあるので安心です。
26℃以外の温度調節ができるタイプのヒーターが良い方は次にご紹介する温度調節型がおすすめです。
■【60㎝以下の水槽に適応】温度調節ができるタイプの小型ヒーター
テトラ 温度調節可能 ミニヒーター 150W
26℃以外に温度を設定したい場合は温度調節ができるテトラ 温度調節可能 ミニヒーター 150Wといったアイテムがおすすめです。
もちろん26℃設定で使うこともできるので固定型か温度調節型が迷ったら温度調節型を選んでも良いと思います。
対策➁水の入れ替え、水中フィルターの交換をしてお掃除する
汚れた水槽内はカバクチカノコガイが過ごしにくい環境となり動かない原因の1つになります。
食べ残しなどをよく食べるとはいってもあまりにも砂利や底面が汚れているとカバクチカノコガイも動くことができないのだそう。
- 水を3分の2ほど入れ替える。
- 水中フィルターを使っている場合はフィルターを交換する。
といったお手入れをして水槽内をきれいにしてみましょう。
水温が20℃以上あるのに動かない場合は水槽内の汚れが原因となっていることがあります。実際にホームセンターの方に「水槽の汚れをきれいにしてみてください」とアドバイスをいただき水を入れ替えお掃除したところ元気よく動き出しました。定期的なお手入れも大事にしたいですね。
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水中フィルターはフィルター交換が簡単なこちらもおすすめです。
■水槽内に入れるタイプの水中フィルター「水作エイトコア」
■外掛け式の水中フィルター「テトラ ATシリーズ」
対策③立ち上げてすぐの水槽には苔を入れておく
カバクチカノコガイは食べ残しを食べてくれますが、立ち上げてすぐの水槽には食べられるものがあまりなく、そのまま放置すると死んでしまうこともあります。
ホームセンターなどで販売されている苔がついた流木などを購入して入れておくと良いでしょう。
基本的に水温は20℃以上あれば問題ない
カバクチカノコガイは水温が15℃~28℃の間であれば問題なく動くと言われており、基本的に水温は20℃以上あれば飼育環境としては問題ないでしょう。
しかし、個体や水槽内の環境、室内など周辺温度によっては15℃以上あっても動かないということもあります。
特に水温が上下しやすい時期は注意が必要です。
水温が変わりやすい環境は生体にとってストレスになることも。
気温が下がる冬の時期、夏のエアコンを使う室内ではヒーターを入れて水温を一定に保ってあげると飼育環境を一定に保つことができるので効果的かと思います。
水温が安定しているのに動かない場合は後ほどご紹介している2つ目のチェックポイント「水槽内が汚れていないか」をチェックしてみましょう。
温度計で水温をチェックすると安心
温度計で水温を測っておくと今どのくらいの水温かが見て分かるので役立ちます。
水温計にはGEX クリスタル水温計のようにアナログタイプのものやテトラ デジタル水温計のようにデジタル表示のものがあります。
GEX クリスタル水温計
アナログタイプ水温計の特徴
水槽内に設置するタイプが多く水槽周りをすっきりさせたい方におすすめ。水槽内をお掃除する際は破損しないよう注意が必要。
テトラ デジタル水温計
デジタルタイプ水温計の特徴
デジタル表示なので水温が分かりやすい。つけ外ししやすく1つで複数の水槽の水温を測りたい場合はデジタルタイプの方が使いやすいと思います。水槽内にセンサーを入れディスプレイを外に設置するタイプが多いので水槽周りをすっきりさせたい方はアナログタイプの方がおすすめ。
形・大きさ・見た目もいろんなラインナップがあるので、水槽のレイアウトや使い勝手など好みに合わせて選んでみましょう。
まとめ
カバクチカノコガイを入れたけどしばらくしても全く動かない、死んでしまったのか分からずどうしたら良いか分からないといった状態になることがあります。
まず押さえておきたいポイントが「水温」と「汚れ」の2つ。
水温は20℃以上に保ってあげると動くことがあります。
しかし、水温だけが原因でない場合は水質や生体そのものがすでに元気がなくなっている場合は動かないこともあります。
水温が関わっていることは購入するときに説明を受けていないなどで見落としがちなポイントですが、お部屋が冷えやすい時期はヒーターを入れて水温を調整してみてはいかがでしょうか。
また、水槽内が汚れている場合も動かない原因になるのでしばらくお掃除していない場合は、水を3分の2ほど入れ替えて砂利の表面をきれいにして様子を見てみましょう。
カバクチカノコガイが動かないとお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。